- NISAやオルカン・S&P500で利益が出ていて、売却するか迷っている人
- インデックス投資をしているけど、最近の株高にそわそわしている人
- 売り時が分からず、長期運用を続けていて良いのか不安な人
この記事を書いている2025年7月25日現在、
私が投資をしているS&P500が終値6,388.64という過去最高を記録しました。
過去19営業日でおよそ10回の記録更新という破竹の勢い。
その原因は、個人投資家による大量買いやAI関連株の好調、米国との通商協議が進展したことによる影響などさまざまです。
投資利益が最高値を更新したと聞くと、ついつい考えてしまうので、
今、利確したら儲かるんじゃない?
しかし、個人投資家──特にインデックス投資家など長期で運用を考えている人にとってはその方法は安易におすすめできません。
今回は、インデックス投資家がNISAで爆益が出ていても売ってはいけない理由を解説していきます。
最高値更新!でもなぜ売らないの?
私は2022年から積立NISAで、S&P500とeMAXISSIim 全世界株式(オルカン)や、それに連動する楽天S&P500や楽天オルカンなどの商品に毎月積立投資を行っています。
米国の代表的な株価指数であるS&P500は、2025年7月25日に6,388ポイントと過去最高を更新。
日本の投資信託でも、S&P500に連動するファンドの基準価額は29,000円台まで上昇し、私含め、含み益が大きくなっている人も多いはずです。
しかし、私は絶対に利益確定しません!
その理由について解説します。
つみたてNISAが爆益中!だけど売るのを迷った理由
【S&P500のパフォーマンス】

【オルカンのパフォーマンス】

この2つの表は、それぞれS&P500とオルカンの成績になります。
設定来より多少の浮き沈みはあるものの、長期でみたら確実に右肩上がりのグラフになっています。
そこで思うのが、
この最高値付近で売って、下がった時に安く買えばもっと利益が出るんじゃない?
実際、投資家と呼ばれる人たちはそのように売り買いをして利益を出しているのですが、それはあくまでそれを生業としている人たちの戦略です。
私たちのようななんちゃって素人インデックス投資家は、そんなことやっても120%うまくいきません。
そもそも市場を読めないのだから、インデックス投資で長期運用を行っているのです。
下がったら買って、上がったら買ったらいいんじゃない?
そんな悪魔の囁きに決して耳を傾けず、愚直に積立投資を継続していきましょう。
「売りたくなる心理」とどう付き合うか
売ってはいけない、と言われても過去最高を更新したとなると利確してしまいたくなるのが人間の感情です。
そんな「売りたくなるスケベ心」が顔を出した時は、インデックス投資を始めた目的を今一度胸に刻み込みましょう。
私は将来への自由な未来のために、総資産1億円を目指しています。
どれだけ時間がかかっても、インデックスは絶対売らずにガチホールド。
この意思を強く持ち、SNSや投資家の言葉に惑わされず投資をするようにしましょう。
インデックス投資の基本に立ち返る

そもそもインデックス投資とは、
市場全体にまるっと投資できるシンプルで効率的な方法。
それを10年、20年と長く続けることで、複利の力がじわじわと効いてくるのが“長期運用”の魅力です。
毎日の値動きに振り回されず、続けることが成功のカギ!
「安く買って高く売る」じゃない投資スタイル
一般的な人が想像する投資家とは、何時間もモニターの前に座って売り買いをする「タイミング投資家」ではないでしょうか。
しかし、インデックス投資家はそんなタイミング投資ではなく、10年、20年と市場に居続けることで「複利」という利益を享受するスタイルです。
プロではない私たちは、そもそも市場の流れを読むことができません。
プロでさえ、インデックス投資の利益に勝てないとされているのに、ましてや投資素人である私たちがタイミング投資で利益を作ることなんてできません。
プロのトレーダーと私たち素人のインデックス投資家は、そもそも投資スタイルが違うことを理解しておきましょう。
長期投資家が意識したい“出口戦略”とは?
インデックス投資家は売り買いしない! と言っても、いずれ投資しているお金を引き出す時がきます。
長期投資家がお金を引き出すタイミングはズバリ、
そのお金が必要になったとき。
投資をしている人の理由は、
将来の子供の学費や自分の老後資金など、さまざまです。
人生のイベントに合わせ、10年、20年と長期投資を行っているので、引き出すタイミングは「必要になった時」だけでいいのです。
「売らない」と判断した理由3つ
「必要な時に売ったらいい」と言っても、実際に爆益を見たら心がソワソワしてしまいます。
そんなときはこれから解説する、利益が出ても売らない理由3つを頭に浮かべてみてください。
私が、インデックス投資で利益が出ても売らない理由は、以下の3つです。
- 最高値=天井ではない
- 売却時20%の関税がかかる
- タイミング投資はギャンブルである
一つずつ解説していきます。
利益が出ても売らない理由1つ目「最高値=天井ではない」

実は、S&P500の最高値更新は、2025年で12回目です。(2025年7月25日時点)
また、過去を遡ると一年で77回も更新した年があります。
この結果から、まだまだS&P500は最高値を更新し続けているということ。
市場が成長し続けているのなら、わざわざ売り買いをしなくても、コツコツ積立投資を続けて市場にお金を置いておくのが王道です。
利益が出ても売らない理由2つ目「売却時20%の関税がかかる」

新NISAで投資を行っている人は含み益に関税はかからないのですが、新NISA以外で投資を行っている場合は、関税20.315%が発生します。
例えば、100万円投資を行い10万円の利益が出た場合、そのお金を売却すると2万円を税金として徴収されるということ。
なので、最高値で売って、下がった時に買ったとしても、そもそも2万円はすでに損してしまっているのです。
税金は売却時に発生するため、含み益が10万円あったとしても売らなければそのまま10万円を複利で運用できます。
下がるタイミングが分からないのに、10万円を複利で運用できないのは大きな機会損失です。
また、安値で買えたとして、税金で損した2万円以上得をするかは分かりません。
でも新NISAで行うなら税金がかからないから2万円損しないかも!
その考えも甘いです。
確かに、新NISAでは利益に対し関税が免除されていますが、新NISAで投資できる上限額というものが毎年限られています。

積立投資枠であれば年間120万円まで、成長投資枠であれば年間240万円までです。
一度投資を行ってしまうと、その枠は翌年になるまで戻りません。
先述したように、S&P500の最高値は過去多くて70回以上あった年もあります。
最高値を狙って売り買いしていれば、その年間240万円の枠はすぐに無くなってしまうでしょう。
市場の動きを読むのはプロでも難しいです。たとえ「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェットでさえ、「市場を予測することはしない」と明言しているほどです。
利益が出ても売らない理由3つ目「タイミング投資はギャンブルである」
仮に、最高値で売って、最安値で買った時にうまく行ったとしても、それはもはや投資ではなく投機──すなわちギャンブルです。
上手くいけばいいですが、ギャンブルは成功もあれば失敗もあります。
一方、インデックス投資はS&P500などの優良商品に10年、20年積立続ければ5~10%の利益が出ていることは過去のデータから証明されています。

このデータから過去 176 年間のうち、2012 年初頭よりも 10 年ローリング リターンが低かったのはわずか 16 年間です。
また、S&P500の過去100年での複利平均リターンは9.8%、インフレ調整後でも約6% とされています。
長期で運用すれば勝率は過去のデータからはっきりしているのに、わざわざ勝つか負けるかのギャンブルをする理由がありません。
インデックス投資に唯一の欠点があるとすれば、時間がかかることです。
ギャンブルに走ってしまう理由には、「早く稼ぎたい」、「早く儲かりたい」という欲が出てきてしまうのだと思います。
今一度、なんのために投資を行うのか振り返って、落ち着いた行動をするようにしましょう。
まとめ|利益確定より大事なこともある
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、S&P500が市場最高値を更新したニュースと、インデックス投資家は絶対に売ってはいけない3つの理由を解説していきました。
結局のところ、コツコツ積立を行うことが一番強いという証明になりました。
今の株価上昇は「通過点」でもあります。
アメリカや世界が成長し続けていく限り、株価も成長し続けていきます。
私もいつか資産1億円という夢を達成するために、愚直に積み立てていこうと思います!
これからも一緒に、資産形成をやっていきましょう!
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